ご相談/0041 noripirotaka様
- 2018/09/16
- 00:00

桜井信一の わが子に教えたくなる 中学受験算数・国語
7月20日発売の新刊本です! よろしくお願いいたします。
※9月5日、重版出来になりました!
【全国、海外にお住まいの受験生対象】
下剋上受験オンライン家庭教師 お申し込み受付中!
下剋上メソッドが学べる唯一の家庭教師 「マイナビ家庭教師」はコチラ

ご相談/0041 noripirotaka様
ニックネーム:入塾の適切な時期について
件名:こんな時期になってサボっていた事が発覚しました
本文:桜井さま。お忙しいところ、我が家からの相談に目を通していただき、ありがとうございます。
下剋上受験を拝読し、桜井さまの一生懸命さに夫婦ともども感銘を受けました。
その桜井さまのご意見をお聞きしたく、誠に勝手ながら質問させていただきます。
我が家には小学3年生の男の子がおります。
現在、私立中学校を受験することを視野に入れており、そのための塾を検討しております。
予習ではなく復習重視主義ということから、サピックスか日能研を選択肢に挙げております。
どのようなものか手応えを確認する意味も含め、先日サピックスの入塾試験を受け、最低ランクのクラスながら、ギリギリ受かりました。
また、その数日後には日能研の予科(3年生)の授業を体験させていただきました。
これまで公文で算数・国語・英語をやってきており、特に算数と国語は実際の学年より3学年以上進んでいる状態ながら、やはり中学受験を前提とした問題とは勝手が違うのか、ギリギリ合格したとはいえ、その出来栄えは本人も満足いくものではなかった様子です。
文章問題ならともかく、さほど難解でもない純粋な計算問題でさえ間違えている個所があり、親としても「せっかくあれだけ公文をやってきたのに。中学生レベルの問題をやっているどころじゃない。特に文章題に取り組む機会が少なかったのだし、公文をやめて塾で足元を固めなおすべきではないのか」と思ってしまったのも正直なところです。
日能研の体験授業(算数)については、本人は「面白くなかった」「進み方が早くてノートを全部書けなかった」と言っております。
このことから、現状の公文だけではだめだろうと思う一方、塾に通うなら通うで、サピックス・日能研いずれにせよ「授業についていけないのではないか・・・。まだ少し早いのでは?」と考えてしまっています。
そこで、入塾については来月から始めることもできますが、あえてそうせずに、10月から1月の間はZ会やトップレベルや桜井さま監修の問題集などを使用して、我が家なりに親塾で3,4年生部分の基礎を固める(というより、より高いレベルで入塾テストに通るようするため)ということも考えております。
我が子は環境に慣れるのに時間がかかることから、当初は「行くなら早めの入塾が良い」と考え、3年生の秋からと思っておりましたが、上記の状況から迷いが生じています。
お手数ながら、桜井さまのご意見をいただければ幸いです。
noripirotaka様、はじめまして。
早速ですが、ご相談の順番にいきます。
予習型なら四谷大塚、復習型ならサピックスということにかなり拘っている方が多いですが、そんなに深く考えるポイントではないと私は思います。実は断言したいところですが、思うにとどめておきます。
いま、日能研とサピックスに絞っている場合、通いやすさか校舎の規模で選ぶと良いと思います。体験授業の面白さで選ぶのも違いますね。
次に、入塾テストですが、「素」で受けるとなかなか手強いですよね。
例えば、第二子の場合はどうでしょう。上の子で一度経験していますから対策が立てやすいですよね。
3年生の入塾テストはよく知りませんが、入塾テストのためだけに作成されたものと、模試を入塾テストに代用する場合とがあるのではないでしょうか。
前者は持ち帰ることができませんが、2回目の挑戦もありだと思うので、1回目のテストのあとに面談で親が見ることができるはずです。そこで大体わかります。目で写メですね。他にも方法はあるでしょうけれど、小声で話す内容になります。
後者は入手方法が色々あるでしょう。それで対策を立てることができます。
素で受けるとそりゃ難しいですよ。よほど出来る子やテスト慣れした転塾組でないと、いきなり高得点を狙うのは無謀です。
でも、高得点をとって上位クラスに入りたい。
これも3、4年生の場合ははっきりしたことは言えませんが、サピックスの場合は、5、6年生のプリントを見ている限り、上のクラスと下のクラスとでは考え方・解き方が異なるようです。志望校にもよりますが、難関狙いならできれば上位クラスにいきたいですよね。
先取り学習の件。
よく勘違いしてしまう点なのですが、ごくごく一部の神童くんを除いて、3学年上の学習をしたからといって、3学年上の頭になるわけじゃないのです。3年生の頭のまま6年生の計算をしているだけのことです。
スポーツで想像するともう少しわかりやすいかもしれませんが、3年生のフィジカルのまま高度な技術を習うだけ。3年生が6年生に混じってサッカーをした場合、当たられると弱いでしょうし、蹴る力も全然違うでしょう。小細工が出来るだけですよね。
つまり、3年生は所詮3年生なのです。
5年生になるまでに、算数の色んなことを習った。国語からも色んなことを知った。社会も理科も日常生活からもたくさんのことを吸収した状態で、5年生の速さや比の問題を習うから深い理解につながるのです。
算数の理解は、生きてきた経験がものをいうのです。
例えば、高校数学で出てくるチェバの定理。
小5の子に覚えさせるのは簡単なことでしょう。しかし、小5と高1とでは、それまでに見てきた三角形の数が違います。比を使ってきた回数も違う。たくさんの三角形を見てきた経験がある状態で習う方が有利なのです。
つまり、小学生の先取りは、一部の子を除いて中学受験に有利になるとは思えません。
そこを勘違いしたまま3年生のテストを見下してかかると、「え? 今までやっていたのは無駄だったの?」と思ってしまう事態が起きます。そういう意味でも私は先取りに反対なのです。もちろん神童くんは例外です。とにかく、神童くんは色んな意味で例外・規格外なのです。
また、中学受験は、「計算力」という土台があることを前提に、4年生後期で習う算数の「数に対する見方・考え方」と、5年生で習う「算数の各単元の横のつながり」が明暗をわけるのです。そこを小走りで通り過ぎてはいけません。最も重要なのは5年生の後期であり、その手前で多少しくじっていても復活は容易いのです。
少し話がそれますが、難関と呼ばれる中高一貫校は、英語も数学もかなり速いペースで習います。これは先取りとは違うと私は考えています。
公立中学校が学力別になっていないために遅すぎるのです。そのシワ寄せが高校生で出てしまう。
公立高校が、数学も物理も大学受験前のギリギリまで習うことになってしまうのは、中高の配分が悪いのです。実際、公立のトップ層は、中学の5教科が簡単すぎて退屈だったでしょう。高校になって急に速いペースになったと思っていることでしょう。
入塾のタイミングの件。
新4年生からスタートでいいでしょうが、どこかで塾慣れしてから入塾テストを受ける手もありますね。
10月から1月は家庭学習をする作戦についてですが、いずれも(5、6年生のものなら)内容を把握しておりますので、私なら使う・使わないを書いておきます。
Z会は使いません。中学生なら使いますが、小学生なら進研ゼミの中学受験講座の方を選ぶと思います。但し、解き方がサピックスとは異なります。サピックスにバトンを渡す場合、そこだけがネックです。
トップレベルとは、「トップレベル問題集」のことだと思うのですが、これも使いません。親が完全に横についていない限り無駄な時間になると思います。
私が監修している問題集というのは、「下剋上算数基礎編」のことだと思うのですが、(一部最上位クラスの子が問題をチョイスして使っている場合がありますが)3年生では使いません。
それよりは、進研ゼミの中学受験講座に毎月ついてくる「計算と一行問題」という小冊子があります。量と難易度がちょうど良いので、それを使わせると思います。
最後に、入塾テストで上位クラスを狙う件。
くり返しになりますが、これは作戦が必要です。入塾テストに慣れていないと厳しいですから、何らかの方法で入手してその類題を解かせて、時間配分を教えてあげないといけません。
そうして上位クラスのちょっと下でもOKとし、新5年生までに最上位クラスへ食い込むことができれば良しとしたところではないでしょうか。
そもそも、入塾テストは、転塾組の学力を測る目的と、たまに現れる神童くんを見つけるためにあるのです。「はじめまして状態」の子の学力を測る目的ではありません。
ここ数日、辛口の意見を書いておりますが、多くの方が「慌てすぎ」か「のんびりしすぎ」なのです。
3年生のこの時期は、「慌てすぎ」。
5年生のこの時期は、「のんびりしすぎ」。
低学年の慌てすぎの方も、2年後はのんびりしすぎになるから不思議なのです。
入塾して無事上位クラスに辿り着いたら、あとからどんどん強敵が参戦してきますから、親が必死で支えないといけません。言葉が悪いですが、凡人は親勝負です。5年生の前半で上位クラスにいて、そこからずるずる落ちてしまった場合、よほどのことがない限り復活は厳しいでしょう。
上空飛行を最後まで続けるのが非常に難しいのです。
桜井信一の わが子に教えたくなる 中学受験算数・国語に書いておりますが、中学受験を目指す子どもたちを「2-6-2」に分けたとき、6割に属する子の中に大きく下剋上する子が実在します。
高いパフォーマンスを発揮するはずの子は、偏差値はイマイチだけれど、数に対する見方が出来ていたりします。こういう子は5年生のこの時期に6割の集団にいても、ちょっと手を加えればあっさり難関中学に届きます。
しかし、普通の子は学び方を根本から変えない限り、ただ勉強量(演習量)を増やしても6割から抜け出すことは難しいでしょう。勉強量を増やす程度のことなら誰でもできるからです。
私は、多くの子に下剋上のチャンスがあると確信していますが、せっかくまだ3年生なのですから、下剋上と言わずに、早い段階で上位クラスのレールに乗せてあげて、楽な勝負をしてほしいと思います。
頑張ってください。
2018.9.16
桜井信一
中学受験(指導・勉強法)のランキングに参加中です。
クリックしてくださるとうれしいです!

2017年4月28日以前の記事は修正不可能なバグが多数ありますので表示させることができません。PWによって特定の読者の方にだけ閲覧可能にしているわけではありませんのでご了承ください。

最新記事7つ
ネット書店別リンク
重版出来!
下剋上受験<単行本>
初版平成26年7月18日
第2版平成26年7月31日
第3版平成26年8月6日
第4版平成26年8月18日
第5版平成26年8月28日
第6版平成26年9月11日
第7版平成26年10月26日
第8版平成26年12月17日
第9版平成29年1月21日
下剋上算数基礎編
初版平成27年1月3日
第2版平成27年1月25日
第3版平成27年5月19日
第4版平成27年8月2日
第5版平成27年12月1日
第6版平成28年6月5日
第7版平成29年1月3日
第8版平成29年2月7日
第9版平成29年3月1日
第10版平成30年4月30日
第11版平成31年2月21日
第12版令和元年12月3日
第13版2元年11月12日
下剋上算数難関校受験編
初版平成27年4月1日
第2版平成28年3月1日
第3版平成28年10月21日
第4版平成29年1月27日
第5版平成29年2月25日
第6版平成29年6月24日
第7版平成30年2月26日
第8版平成31年4月25日
第9版令和元年12月3日
第10版令和2年11月12日
桜井さん、うちの子受かりますか?
初版平成27年7月10日
第2版平成27年12月23日
第3版平成29年1月27日
第4版平成29年10月28日
下剋上受験<文庫版>
初版平成28年12月22日
第2版平成29年1月17日
第3版平成29年2月1日
第4版平成29年2月19日
下剋上算数基礎編攻略本
初版平成29年6月16日
第2版平成30年 月 日
第3版令和元年11月22日
下剋上算数難関校受験編攻略本
初版平成29年9月29日
桜井信一の最難関算数教室
初版平成29年7月28日
下剋上受験 桜井信一の絶対合格カレンダー2018-2019
初版平成29年9月28日
桜井信一の わが子に教えたくなる 中学受験算数・国語
初版平成30年8月1日
第2版平成30年9月13日
第2版平成31年3月16日
下剋上受験 桜井信一の絶対合格カレンダー2019-2020
初版平成30年10月6日
初版平成26年7月18日
第2版平成26年7月31日
第3版平成26年8月6日
第4版平成26年8月18日
第5版平成26年8月28日
第6版平成26年9月11日
第7版平成26年10月26日
第8版平成26年12月17日
第9版平成29年1月21日
下剋上算数基礎編
初版平成27年1月3日
第2版平成27年1月25日
第3版平成27年5月19日
第4版平成27年8月2日
第5版平成27年12月1日
第6版平成28年6月5日
第7版平成29年1月3日
第8版平成29年2月7日
第9版平成29年3月1日
第10版平成30年4月30日
第11版平成31年2月21日
第12版令和元年12月3日
第13版2元年11月12日
下剋上算数難関校受験編
初版平成27年4月1日
第2版平成28年3月1日
第3版平成28年10月21日
第4版平成29年1月27日
第5版平成29年2月25日
第6版平成29年6月24日
第7版平成30年2月26日
第8版平成31年4月25日
第9版令和元年12月3日
第10版令和2年11月12日
桜井さん、うちの子受かりますか?
初版平成27年7月10日
第2版平成27年12月23日
第3版平成29年1月27日
第4版平成29年10月28日
下剋上受験<文庫版>
初版平成28年12月22日
第2版平成29年1月17日
第3版平成29年2月1日
第4版平成29年2月19日
下剋上算数基礎編攻略本
初版平成29年6月16日
第2版平成30年 月 日
第3版令和元年11月22日
下剋上算数難関校受験編攻略本
初版平成29年9月29日
桜井信一の最難関算数教室
初版平成29年7月28日
下剋上受験 桜井信一の絶対合格カレンダー2018-2019
初版平成29年9月28日
桜井信一の わが子に教えたくなる 中学受験算数・国語
初版平成30年8月1日
第2版平成30年9月13日
第2版平成31年3月16日
下剋上受験 桜井信一の絶対合格カレンダー2019-2020
初版平成30年10月6日
内容について
ブログは不真面目に、書籍は真面目に、をコンセプトに書いています。桜井信一
blog policy
このブログは躁鬱病の寛解へ向けて出来る限り日々更新しています。さらに中卒の名誉挽回に努めます。
免責事項
こちらをお読みください